ふくしま学力向上委員会

2017.12.27

2020年、学習指導要領改訂で入試はどう変わるの? 問われる学力の在り方

2017年3月に、文部科学省は、小学校・中学校の学習指導要領を公示しました。小学校は2020年度から、中学校は2021年度から、新たな学習指導要領にもとづいて授業が行われます。そこで今回は、改訂によって学びの質や高校入試はどのように変わっていくのかを解説します。幼稚園や小学生のお子さんを持つお母さんも要チェックです!

質の向上と確かな学力の育成へ

学習指導要領は、時代の変化に合わせて、10年に1度の頻度で改定されています。
まずは、今回の学習指導要領改訂のポイントについてお話します。

●主体的・対話的な深い学びにより、知識の理解の質を高める
 →「何ができるようになるか」を明確化するため、授業の工夫・改善が期待されます。
●理数教育の充実
 →算数・数学では日常生活などから問題を見出す活動を、理科では見通しをもった観察や実験を充実させ、学習の質を向上させます。
●外国語教育の充実
 →小学校の中学年で「外国語活動」を、高学年で「外国語科」を導入します。
●情報活用能力を充実させます。
 →プログラミング的思考の育成が図られます。

つまり、現行の学習指導要領では"確かな学力"の育成がポイントとなった、いわゆる"脱ゆとり教育"が注目されましたが、今回はそれを継承しつつ"資質・能力を一層確実に育成"することを目指します。

高校入試はどうかわるのか?

現在の福島県の高校入試では、I期選抜の合格内定期間が2月上旬です。そのため合格内定者は内定後の学習意欲の維持が難しいと指摘されています。そこで、福島県では平成32年度入学者選抜から、3月上旬にI期選抜(以下「特色選抜」という)とII期選抜(以下「一般選抜」という)を統合し、全員に学力検査を課す方針です。
つまり、中3生にとっては現行学習指導要領のポイントの一つであった、"確かな学力"が試されると言えるでしょう。
もちろん特色選抜は、その性質上、学力検査の点数よりも他の資料(調査書や面接など)の点数を重視する学校が多くなるかもしれませんが、少なくとも受験者全員が同じ基準で比較できる指標が設けられるのです。なお、一般選抜においては、これらの比重を従来どおり原則として同等(1:1)として扱う方針です。

では、新学習指導要領になると入試はどう変わるのでしょうか?
先日公表された「東京都立高等学校入学者選抜英語検査改善検討委員会報告書」によると、平成31年度以降の入試の英語では「民間の資格・検定試験実施団体の知見を活用」し「話すこと」を含めた4技能の検査を実施すべきだと提言しています。
英語科に限らず、将来的には福島県の入試においても、単に学力を検査するのではなく、"思考力、判断力、表現力"を問われる問題形式になると思います。

知識の理解の質を高めた"確かな学力"を身に付けよう

実は福島県のトップレベル高校へ進学しても、大学受験の際に1/3ないし半分は浪人するのが現状です。福島県全体の競争力をあげていくことが課題となりますが、そのためには※「子ども達の知識の理解の質の向上を図り、これからの時代に求められる資質・能力を育んでいくことが重要」とされています。
※「小中学校学習指導要領等の改訂ポイント」より

数年後に迫る大学入試改革では、英語の4技能評価に加え、5教科7科目のうち国語と数学で記述式問題が含まれる予定なので、単に知識や技能だけでなく質の高い"確かな学力"による思考、判断力、表現力が評価されます。

自分を試す機会をたくさん作ろう!

それでは、どのように勉強したらいいのか?
勉強によって学力を上げていく事はもちろん大事ですが、これからの入試で実力を発揮するためには、自分を試す機会をたくさん作ってください。
例えば、英語の教科書の例文そのままでも良いので、友人と英語で話す機会をたくさん設けてみる。そうすれば、英作文や英会話の入試対策になります。また、読書好きの人は自分ひとりで楽しまずに、なるべく多くの人に読んでもらえるようにチャレンジしてみる。その本の魅力をわかりやすく正確に相手に伝えなければいけないので、これは記述式問題への対応力が身につけられます。もし勉強が得意なら、数学の評価が1の友人を3まであげてみてください。主体的・対話的な学びを通して深い理解が得られます。

ふくしま学力向上委員会より一言

全国のどの地域で教育を受けても、一定の水準の教育を受けられるようにすることが学習指導要領の目的で、次の改定では、時代の変化に応じた質の高い"確かな学力"育成が期待できます。子ども達は今後あらゆる競争で勝ち抜かなければなりません。
高校入試・大学入試の改革に向けて、さまざまな問題に対応できる「思考力、判断力、表現力」を身に付けていきましょう。


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